コラム がんばれ!○○大学病院美容外科

美容

最近大学病院の形成外科にも美容外科の看板をあげているところが増えてきています。東京大学、千葉大学、東京医科歯科大学、日本医科大学、北里大学、神戸大学などなどです。東高西低ですね。主に美容外科クリニックでされた未熟な手術により大きな合併症にみまわれた方々の救済をされています。もちろん普通に美容手術もされますが。ちなみに大学病院=美容の名医(つまり大学病院にいけばきれいになる)ということではありません。大学病院で美容外科を担当されている先生には、美容クリニックでかわいそうな目にあった患者さんを救済したいという思いをお持ちの奇特な医師と、大学の方針でやらされている医師、将来美容クリニックに勤務する、もしくは開業するための修行としてやっている医師、メインは美容クリニックに働きながら大学病院の非常勤で美容をやっている医師がいらっしゃいます。これらの先生方も普通の人間の心をお持ちです。ですから日々の診療で思うことは「なぜ、こんなトラブルをおこすような下手な手術をする医師が大金を得て、その後始末を安い給与でやらされてるんだ」ということです。とある大学病院の美容外科医もモチベーションを上げるにはインセンティブを導入することの必要性を唱えていました。普通に美容外科をやりたい人は開業を考えます。なぜなら収入が雲泥の差だからです。例えば、美容クリニックで若いのに雇われ院長とかしている医師の年収が週4くらいでも2000万超えてきます。対して大学の常勤医師は年収800万前後です。教授でも1500万くらいです。みなが美容クリニックに就職しないのは、高収入と引き換えになにか大切なもの(人命を扱う医師という仕事の尊厳のようなもの)を失うからです。

大学病院で勤務しているときに、教授が「うちにも美容外科を作るように言われいるが、担当する医師がいない。大学病院の給与で美容をやろうという人はいないんだよ」と言われていました。確かにそうです。美容は患者さんからのクレームが大変多い分野です。言葉は悪いですが「まったく割に合わない」のです。治療をしていてこんなにクレームを言われる分野はありません。一番の理由は病気の治療(保険診療)ではないことにあります。たとえば眼瞼下垂。これは保険治療の範囲ですが、自費診療でやっているクリニックがあります。保険治療では「瞼が下がってきたため視野がせまくなってきた」が保険の効く主訴です。「瞼がさがってきたから老け顔にみられのが嫌だ」が保険の効かない主訴です。だから保険で治療している分には、見た目は二の次なのです。多少、二重に差が出ようが、治療目的はよく見えるようにすることであり、見た目のことは美容でって言ってよいですが、自費診療となると見た目がきれいでないと、患者さんの目的が達成されておらず、クレームへとつながります。そしてクレーム対応には時間と労力が必要です。それでも、セレブリティあふれる給与をいただけているのであれば、がんばれるところではあるかもしれませんが、大学の給与ではかなり厳しいですよね。美容クリニックではクレーム対応係とかいたりしますから、そのあたりも大学病院で美容をやるには改善すべき点でしょうね。

というようなこともあって、大学病院で腰を据えて美容外科に取り組んでいる医者はほとんどいません(いるのはいます)。でも、悪質な美容クリニックで手術を受けられて大変な合併症を起こしている被害者の方はたくさんいます。この方々の救済、そしてこういった不幸を減らすためにも、まずは大学病院や形成外科学会が主導でやっていくしかありません。しかし、なかなか進みません。わたしも情報ツールを用いてできる限りのことをしていきたいと思います。

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