コロナによるマスク生活で気になる顔のたるみに関しての取材を受けました。顔の筋肉や脂肪など実際にこの目でみたことのある形成外科専門医の立場から、このマスクと顔のたるみについてお話したいと思います。
まず、誤解のないように最初にお伝えしておきますが、マスクの直接作用で顔がたるむということはありません。マスクで覆われていることで、対面の時でも口元を引き締める必要がなくなった、マスクの中で口を動かすと擦れて痛かったり、不快で自然と動かさなくなったなどの理由により、表情筋が以前よりも使われなくなったこと、これが、マスクを外した時にたるみが目立つようになった原因です。マスクをしないときは、見られているという意識から口角を上げたりしています。意識したことがないかもしれませんが、無意識のうちにそうしています。脳のオートメーション化というものです。マスクをすることでぐんと口のまわりの動きが減り、その部分の筋肉の緊張が緩みます。筋肉が緊張することで頬の脂肪を引き上げているため、緊張が弛むと、脂肪が重力でさがり、たるみとして現れます。
失われた筋肉を取り戻すには3倍の時間がかかる
これからまだマスク生活が続きますが、このまま表情筋の使用頻度が減るとたるみは加速します。顔の筋肉は小さなものばかりで、また負荷のかからない動作ですので、意識をしておかなければすぐに痩せて、老顔になっていきます。ちなみに2週間、運動をしないでいると、筋力の3分の1を失うことになります。失う筋肉量は若者は高齢者の2倍に上ります、そしてそれを取り戻そうとしても6週間のトレーニングでは筋肉をもとの状態に戻せないという研究結果があります。このことは、マスク生活で表情筋を休めてしまうと、失った力を取り戻すのに3倍以上の時間を要することを意味します
対処法
ではどうしたら良いのか。マスクの中でも見られると思って意識して表情を作っておけば良いということになりますが、これにも問題が潜んでいます。特に不織布マスクなどでは動かすことで摩擦が生じます。マスクで肌の保湿成分が失われ、肌が乾燥しやすい状態にあるため、その状況で口元を動かしていると、乾燥が進行し、皮膚を痛めることにより、小じわの増加やニキビトラブルが懸念されます。
ですので、私としては、マスクの中で表情を作るというよりは、特に一日中マスクを装着する必要がある方は、トイレなどを利用してマスクを外す機会をたくさん作りその都度顔の筋肉トレーニングをすることをおすめします。ベロ回しを唱えている方もいらっしゃいますが、これは手軽な方法なので時間のない時にはおすすめです。ただベロを回しても表情筋にはなんら作用しません。ベロで表情筋を刺激することが必要です。具体的には唇を閉じた状態で舌で左の頬を裏からできる限り強い力で押します。そして頬もその舌の圧に抵抗するように力を入れます。そのまま上唇の裏→右の頬の裏→下唇の裏→左頬に戻る。次はその逆回転。といった感じで。時間のあるかぎり、疲れるまでやりましょう。この方法は簡単で確かに効果はあると思います、私もやってみましたが、結構舌が歯にあたり、痛いです。舌を頻繁に傷つけると舌癌の発生リスクにもなりますので、この点ご注意ください。できる限り舌が歯に当たらないようにしないといけません。ですので、私は舌回しはあまりやりません。私の提唱する顔筋トレを普段行っています。

しわを作らないよう意識したトレーニングですので、ぜひチャレンジしてください。
20歳を超えたら、女性らしさをつかさどるエストロゲンというホルモンの分泌量が低下していきます。つまり老化が始まります。老化を促進させるようなことを避け(特に紫外線・タバコ)、こういった筋肉トレーニングをすることで、10年後、20年後、30年後と歳を追うごとに歴然とした差が出ます。
シワの治療は簡単ではありません。できないようにすることこれがいちばん大切です。




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