保険適用
眼瞼下垂治療は健康保険適用となっています。保険を使って美しくなるということではありません。眼瞼下垂症とは皮膚がかぶさってきたり、まぶたを開く筋肉の動きが悪くなることにより、視野が狭く、日常の生活に支障をきたしている状態のことをいいます。見づらくて生活に支障をきたしているということで保険適用です。まぶたが下がってきて、二重も狭くなって「老けてきたなぁ」という理由では保険適用にはなりません。ただ、そういう人でも実は症状をもっていることが多く、保険がきく人もいます。保険が聞くのに保険が効かないと思って諦めたり、高額な費用を払って治療を受けている方もいらっしゃいます。眼瞼下垂が原因で肩凝りや頭痛が激しいひともいます。眼瞼下垂があまりないように見えても、下垂を矯正すると痛みがすっかり良くなる人もいます。まぶたは開いていても眉毛があがっているという人に多いです。眉毛が上がってませんか?
原因
一番多い原因は加齢による皮膚のたるみとまぶたの筋肉の機能低下です。まぶたの筋肉の低下はハードコンタクト装着の人に多いことはよく知られています。コンタクトの着脱をするときにまぶたを引っ張るため筋肉が切れるなんて説明が書かれてあったりしますが、それは間違いです。コンタクトによりまぶたが炎症を起こし筋肉のすべりが悪くなることが本当の理由です。ですので、コンタクトに限らず花粉症などのアレルギー性結膜炎で目が痒くてこすってしまう人にも多いのです。擦ることによる炎症でなります。同じようにアトピー性皮膚炎でまぶたの痒みが強い人にもおこります。他にもさまざまな病気の兆候として眼瞼下垂がありますので、少しでも疑わしければ受診してみましょう。怖がらなくて大丈夫です。
治療法
治療については、手術しかありません。
皮膚切除のみ(眉毛下皮膚切除、瞼縁皮膚切除)
眼はバッチリ開いているけど皮膚がかぶさってて邪魔になってる人は皮膚を切除するだけでよくなります。ただ。この皮膚切除にはニ通りあります。一つは眉毛の下で皮膚を切除する方法で、よく眉下切開と言われてますが、正式には眉毛下皮膚切除といいます。もうひとつは、二重のラインに合わせるか、一重が良い人は瞼縁ギリギリで皮膚を切除します。どちらがいいかですが、わたしは瞼縁切開を勧めます。眉下切開の利点はダウンタイムが短いことです。瞼縁切開は腫れが数ヶ月かかります。それでも、その切開線が目立たないため最終自然な仕上がりとなります。眉下はその名の通り眉下に4センチ程度のキズがの残ります。眉の縁なので、そんなに目立たないと言われるかもしれません。たしかにそんなひともいますが、眉毛の形は時代とともに変化します。眉毛の量も減っていきます。そのため、キズが目立つようになったり、人からも見えますので、やったことがバレます。ですので、腫れはしますがわたしは瞼縁切開を選びます。
挙筋前転術
まぶたの開きが悪いひとはまぶたを挙げる筋肉(眼瞼挙筋)の滑りをよくしたり、短かくして矯正する必要があります。手術により世界が明るくなったとおっしゃられる方が多いです。それまであまり気付いてなかったが、こんなによく見えるのかと驚かれます。そして、見た目も若々しく美しくなります。
通常この手術は、瞼縁を切開し、眼瞼挙筋という瞼を上げる筋肉を短くします。眼瞼挙筋の奥にミュラー筋という筋肉がありますが、これはあまり触らない方がいいというのが、最近の主流です。ミュラー筋に操作を加えることで眼瞼痙攣などの合併症が生じる可能性があるからです。ですので、とあるクリニックでは、瞼の裏から糸で通すだけで切らない眼瞼下垂ということをやっていますが、かなり危険だと思います。理論的には瞼は上がるようには思います、ただミュラー筋への侵襲が大きく、合併症リスクが大変気になります。今後そういった被害例がないか注目していきます。
通常の手術でもキズはほとんど目立たないので、普通の方法でやってもらってください。
合併症
瞼をあげる手術を行うと、瞼は開きやすくなりますが、その代償として、目を閉じるときにつっぱり感を感じます。寝てる時に目が開いてると指摘されることもあるでしょう。これは、どうしても起こることなので合併症とはいえません。では、合併症は何かというと、瞼を上げすぎたことにより起こるドライアイ、角膜乾燥とミュラー筋の損傷が原因ではないかと言われる眼瞼痙攣です。瞼を上げすぎた場合は、再手術してすこし瞼の高さを調節すれば落ち着きますが、眼瞼痙攣はやっかいです、ときにまったく眼とは関係のない症状がでます。手足の痺れなどです。これは複合性局所疼痛症候群(CRPS)とわたしは考えています。再手術で治らない可能性も高く、重度の後遺症となります。しかし、これは丁寧な手術で回避できますので、医師がしっかり心がけて行わなければなりません。
クリニックの選び方
保険診療が可能ですので、保険診療を行っている病院にいきましょう。形成外科か眼科になりますが、形成外科のほうが無難です。眼科の多くはまぶたではなく、眼球の病気を専門にされている先生が多いので、眼科に行く場合はホームページを確認して「眼瞼下垂をきれいに治します」的なフレーズをのせているところを選んでください。ただ、とりあえず眼科にいって形成外科を紹介してもらうのもよい手段です。眼瞼下垂の手術後に目が乾く、視力が少し落ちたように感じることがあります。これは本当の話です、形成外科に行くなら、こういった話をしてくれる形成外科で手術をやってもらいましょう。保険診療であるがゆえ、目的は視野が広がることです。美容は保険診療の目的には入っていません。ただ、形成外科医はきれいに治すという意識を強く持っている人が多いです。同じ形成外科医としてそうあってほしいです。わたしの知る形成外科医のほとんどがそうです。ただ、残念ながら、二重の幅がどうのこうのいうのなら、美容外科に行ってくださいという形成外科医もおります。そういうところは、「考えます」と言って帰りましょう。視野を広げて、きれいなまぶたにしてくれるところは他にたくさんあります。そこを探しましょう。
探し方
では眼瞼下垂の手術を受けるにあたっての保険診療を行っている病院の失敗しない選び方ですが、二つあります。一番良い方法と思っているのは、かかりつけの眼科もしくは近くの眼科を受診してください。そこで眼瞼下垂の症状をつたえ手術を希望します。そこでよい形成外科の先生がいるよと紹介してもらえたら当たりです。評判のよくないところに紹介されることはまずありません。ただ、別の眼科に紹介されたり、どこか近くの形成外科紹介しましょうという感じであれば、はずれです。別の眼科に行くか、自分で探すしかありません。選び方の2つ目は、自分で探す方法です。通勤通学圏内の形成外科を探し、ホームページをみます。診療内容の説明のところで、眼瞼下垂に対し熱心に記載されている病院がいくつかあります。診療科案内をみて眼瞼下垂に力をいれてやってますというのが感じ取れたらまずそこにいきましょう!ホームページにあまり特徴のないところはやめておきましょう。もし選んだ病院に医師が数人いるようなら、それぞれ得意としている内容が異なりますので、医師の得意分野に眼瞼と書いている医師を選びましょう。また、経験年数も重要ですので、卒業年度が書かれていたら卒後15~30年くらいの医師がよろしいかと。選択肢が狭くなってきますが、医師選びは重要です。
美容クリニックでも保険外で手術をしているところはあります。やっていることは同じですので、わざわざ大金を出さなくてもよいと思いますが、もし、そうされる場合でもこちらを必ず参考にしてください。
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